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i n k i n g s l o w l y ROAD to FRANCE |
第22章 第5チェックポイント デスバレー
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暑い。とても暑い。
遠くに地平線が見える。
本土上陸を決めて、二番目の都市だ。
ここはデスバレー。
二番目の都市?
・・・都市なんかじゃねえ。
見渡す限り、砂漠しかないじゃないか。
人面石も見えます
暑い。とても暑い。
うーーん。
僕ら20人を黙って先導する、
お笑い界のヴァンヘルシング・和泉野油。
毎回、面倒な変換を強いられるのが頭に来る。
こんな暑い場所まで僕らを連れてきて、
一体、何が楽しい。
だけど、僕らには、
ちょっとだけ楽しみにしていることがあったのさ。
あのさ。
遠足に行くときにさ、
「バナナはおやつに入りますかー」て質問。
みんな、するよな?
若しくは、その質問をした挙げ句、
「ベタやなぁ〜」ってツッこまれるのを、
ニッポン男児だったら、
勲章にするもんだよな?
そうだよな?
そう。
デスバレーという地名を見た時から、
ここまで辿り着いた20人は、
砂漠の先導・和泉野由に向かって
「ベタやなぁ〜」ってツっこむ準備をしていたのさ。
そう。ここは、
「これを何と読む!」で有名な、
パラ撒きクイズの殿堂、デスバレーなんさ!
みんながシャドウで裏拳を繰り返し、
和泉ヤユにツッコミを入れるタイミングを測っていたんさ。
「ここでのクイズは、パラ撒きクイズです」
そのセリフが出ると同時に、
和泉の奴にツッコミを入れること。
そのベクトルだけは、20人の暗黙の了解という、
固く、強い絆になっていたのさ。
さあ、和泉、言って見ろや。
パラ撒きクイズの「パ」の字を出してみろや。
ただでさえ暑い砂漠。
死んだ魚の目と同じ色をして情念が、
僕らの周りにくぐもり漂って、
体感温度をさらに高くしておりました。
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くるり。
砂漠の真ん中で、和泉の奴がこちらを向いた。
さあ、口を開けて見ろ!
パラ撒きクイズの「パ」の字を言ってみ・・・
無言の和泉が僕らの背後、
斜め30度の空を指さした。
バババババババババババババ!
鳥だ!飛行機だ!いや、香川県だ!
空飛ぶ香川県から、何かがバラ撒かれた。
これは、号砲だ!
和泉の奴め!
ツッこむ楽しみすら奪いやがった!
所で、お笑いでパラ撒きって、どんなルールだ?
どんなルールなんだ?
お約束バラマキクイズ
<ルール> 下をご覧下さい。
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ぐわあ!これをリロード?
そう思うよりも早く、
お題のを求めてみんなダッシュしています。
既に砂漠で各人が思い思いの場所へ走って、
ものすごい勢いでリロードを始めています。
和泉の奴は高らかに笑って、
各人の横に備えたリロードカウンターの数字を、
満足げに見てやがります。
その瞬間からの僕らと言えば。
会社でリロード。
電車でリロード。
自宅でリロード。
エステでミロード。
すまん。
最後はちょっと口が滑った。
とにかく、この日から20人は、
リロード人間に改造されてしまったのでありました。
続く
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