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番 外 編

ROAD to FRANCE
〜アメリカ横断お笑いウルトラクイズ漂流記〜


第23章  第5チェックポイント デスバレー



暑い。本当に暑い。


 

ここはデスバレー。
地獄の一丁目。



 





『気温40度近い酷暑の中、
みなさん全力疾走で
問題を探して駆け回ったようです。
これがその皆さんの
涙を誘うような努力の結晶。』



日付
アクセス数
6/19
13,150
6/20
7.718
6/21
12,733
6/22
4,061
6/23
3,371
6/24
7,146
6/25
10,137


 

暑さでぼんやりした頭の中に、
お笑い界のサタニックブンブンブギー・和泉が、
なんだか得意そうに話している。

 
みんな疲れている。

 
プロサルファー・ゴルさんは、
どこかで拾ってきた遺影を、日よけにして立っている。
心なしか、日よけから鳴き声が聞こえる。

 
フォーク和尚さんは、どこかが壊れてしまったのか、
「通信費削減!」と唱えながら腹筋運動を始めた。

 


 
みんな疲れている。



和泉鬼野由は、
二十一世紀初頭にして早くも現れた、
今世紀最大の鬼だ。



僕はキっと睨んで、
和鬼泉鬼野鬼由
呪いの念波を送り続けることにする。






 
 
そんなことを考える僕も、
今回ばっかりは、何も自信がない。

 
そう。
自分ではどこかで気付いていたんだ。

 
 
太平洋上空のお題、
「論文タイトルを考えろ」で、
最大級の自信を持っていたボケに、
5票しか入らなかったこと。

 
ベイスボールクイズの各お題では、
それなりに自信を持っていたボケが、
やはり、それなりの評価しか、
受けられなかったこと。

 
二つのチェックポイントを通して、
僕には、落選近しという空気
少しずつ、確実に、
骨のズイまで染み入ってきていたのだ。



 
 
正直に言う。
あのあたりまでは、
「落ちないためのネタ造り」に徹すれば、
それなりに乗り越えられるハードルだったと思う。


つまり、
「上位2/3に入ればよかんべ?」
「ビリ4に入らなければいーんだべ?」

それを遵守すればよかったのである。

 


その点を考えて言うと、
自分にとって一番の関門だったのは、
裏成田空港での
カマンベール氏さんとの一騎打ちだ。



タイマンバトル。
こればっかりは、明確に、
相手より上のネタを出さなければならない。

何とか乗り越えた、あのときの自分に拍手だ。

 
 
さて。
ここまで残ってきたこの人数を相手にした場合は、
もう、既に、「ビリ4に入らなければ」の域では
ないのである。

既に、
20人全員を相手に回したタイマン勝負
始まっているのである。

 
「しのぐためのネタ」ではダメなんだ。

 
自分以外の全員を見回して、
本気で打ち負かすネタを考えないと、
すぐに寝首をかかれてしまう。

 
 



 
結果の発表が始まった。
僕は、祈るような気持ちのような気持ちで、
祈るようなポーズのまま、
祈るように画面をスクロールさせた。



 



ボケ
名前
得票
順位
H.G.ウェルズ「宇宙戦争」の脚本が書かれている。
ガンガ神山
3
17



3票。17位だ。
20人いて、4人落選。
ここはつまり、落選ゾーンだ。




 
オロオロしながら、
次問の結果発表を待つ。

 



ボケ
名前
得票
順位
タクシーの運転手さんが
「お客さんの見たのは、こーんな顔じゃなかったですか?」
そう言って目鼻口のない顔をこちらに向けながら
見せてくれた手品。
ガンガ神山
4
18
 
手品にびっくりしたわけじゃないのね。(shin


 
shinさんが僕の狙い通りのコメントをくれている。
この人に狙いや思いを読まれたのは2度目だ。
素直にそのことに感謝したい。


ただ、これもまた4票。18位
依然、落馬ゾーンを脱せられず。


 
 



ボケ
名前
得票
順位
ギプスとセットの「大リーグ養成松葉杖」
ガンガ神山
2
17


ダメだ。2票。17位。
どうしようもない。


投票してくださったお二人には
非常に申し訳ない話になってしまうが、
本当に、今、見返してみて、
どこが面白いのやら・・・。


このまま僕は、
敗者席へ行くことになるのか。

ああ、明日の今頃は、
僕は敗者のバカ。
嗚呼。




そろそろ、
往生際の悪い僕にも、
覚悟という文字が、
頭の中にベッタリと貼り付いてきた。

 
 
 


 
 
4問目。

ナシ。

問題4


(なし)


ボケ
名前
得票
順位
                  
      
 
   



思った通りだ。
4問目と6問目は、
用意されてなかったのである。

 
和泉め。和泉め。

既に気分が落ちくぼんで、
視線を前に向けることの出来なくなった体勢の僕だが、
呪いの念波だけは送出を続けることにした。


 
 
ドラ息子ドラえもんさんや、
フォーク和尚さんが放心している。


鈴木以外数人さんも、
骨折していない足に必死でツバを塗っている。


こども銀行頭取さんは、
ワールドカップのチケットを取るときの自分と、
脳味噌の中がシンクロしてしまって、
どこか遠い世界に行ってしまっているようだ。


テクハネさんなんか、
司会者を愛しはじめている。



これは危ない。みんな危ない。

過酷だ。過酷すぎる。

 
 



 
5問目。

最後に発見した、捨てお題だ。

 



ボケ
名前
得票
順位
パーマ失敗率世界一
ガンガ神山
12
5



5位?

最も僕のボケ方法論からかけ離れたこのお題で、
いきなり、まずまずの評価をもらった。


どういうことだ。
少しとまどった。



 
落ち着いて思い返して、
ちょっと反省をする。




自分は、ネタ造りをする時に、
何らかのカタにはめられて、
がんじがらめになっていたんじゃないか。

面白いボケを作る、という単純な目的を、
どこかで見失ってしまっていたのではないか。



 
この結果を見て、
少しだけ、大きくなれた気がした。

 
そして、
先程、覚悟を完了した自分のはずなのだが、
この結果のお陰で、少しだけ、
希望というものを思い出してしまっていた。





 


5問目の結果発表が終わるまでに、
地獄な気分を、めっさ味わった。
そしてだいぶ、自分の反省点が見えた。
そんな気がしていた。


 
もしも、
このチェックポイントを生き残れたら、
その反省を何らかの形で活かして、
もう少し、もう少し先の方まで、
僕は進んでいくことが出来るんじゃないだろうか。


 
そんな恐れ多くも前向きな考えを、
耳鳴りの中の自分が、僕に呟いた。

 
そして。





ボケ
名前
得票
順位
たるんだ国会にダブルアームさわやかスープレックス!
ガンガ神山
3
15



 
15
位。3票。


最後まで僕は、満足のいく票を得ることなく、
この闘いを終えたのである。


あとは、集計結果を見て、
自分よりも、もっと目立てなかった人が、
4人いることを祈るだけであった。

 
 


 
総合結果

順位 名前 得票 投稿数
1 平楽 102 5
2 下半身だけ大谷 99 5
3 いぶくろ 71 5
4 鈴木以外数人 55 5
5 口几 54 3
6 プロサルファー・ゴル 50 5
7 アンクシャス 48 5
8 ドラ息子ドラえもん 47 5
9 歩兵 46 5
10 田端KORO 44 5
11 電撃 40 5
12 のり(ゆ) 37 5
13 マサムネ(今中) 35 5
13 テクハネ 35 5
15 Masa 31 2
16 フォーク和尚 30 5
17 GET−C 29 5
18 こども銀行頭取 28 5
19 いちごスパ(いいひと) 25 4
20 ガンガ神山 24 5


 
   
最下位。



そして、ちょっとした安堵。

ここで皆さんとは、お別れだ。



肩から自分の肉体の中の、
エクトプラズムだとか幽体だとかが、
全てすり抜けていく。
そんな感情が僕を襲った。



 
ちょっとだけでも、
次のチェックポイントへの期待をしてしまった自分。
その自分に対しての

 
「ウルトラクイズをナメるんじゃないよ。」

 
鬼和鬼泉鬼野鬼由鬼の叫ぶその声が、
僕の幽体離脱の後押しをする。

 
 


楽しいデビルスタワー行きを決めた
16人が、
向こうの方でバンザイをしている。


そんな風景が見える気がする。


目がかすんで、
耳鳴りがひどくなって、
僕にはそれがわからない。



お笑いウルトラで落選する時の気分って、
こんな感じかしら。




だいぶ脳味噌が煮立ってきている。

ふふ。
ジェシカおばさん、
じっくりコトコト煮込みすぎだよ。

 

ふふふ。



気分朦朧。
 
そんな僕にわかったこと。


 
僕の凱旋門へ向けての道程は、
ここで終止符を打たれた
ということ。



そして、
ここから先の手記を残すのは、
僕の役割ではない、
ということ。



楽しいデビルスタワー行き
16名決定!!
バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ


テクハネ、のり(ゆ)、マサムネ(今中)、平楽、いぶくろ、
田端KORO、ドラ息子ドラえもん、鈴木以外数人、フォーク和尚、
下半身だけ大谷、プロサルファー・ゴル、電撃、
歩兵、Masa、口几、アンクシャス(ジャンケン王)





さようなら、皆さん。
ベスト16、おめでとう。

僕は、罰ゲームの開催地へ向かうよ。

さようなら、皆さん。
残りもがんばって。

 
   



次回、最終回。



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